クリエイティブコモンズライセンスとは?利用条件とクレジット表記の書き方を解説

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」の表示マーク、私はこの意味をよく忘れてしまい、マークを見るたびに調べています…

  • クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(Creative Commons License)とは?
  • どんなマークだっけ?
  • CC0って何?

今回はこんなことについて紹介していきますよー!

こんなマーク、見たことない?

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは © クリエイティブ・コモンズ・ジャパン (CC BY 4.0)

このマーク、BehanceやFlickr、YouTubeなど、海外のサイトでよく見かけるのですが、何だかご存知ですか?

これは、クリエイティブ・コモンズという団体が策定したクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(通称CCライセンス)」と呼ばれるものなんです。

CCライセンスとは?

question

「それじゃあ、CCライセンスって一体何のためのマーク?」

ということで、日本語版ライセンスの整備を行っているクリエイティブ・コモンズ・ジャパンのサイトを見てみると…

CCライセンスとはインターネット時代のための新しい著作権ルールで、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません。」という意思表示をするためのツールです。

※出典:クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは © クリエイティブ・コモンズ・ジャパン (CC BY 4.0)

とありました!

さらに、

CCライセンスを利用することで、作者は著作権を保持したまま作品を自由に流通させることができ、受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスなどをすることができます。

※出典:クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは © クリエイティブ・コモンズ・ジャパン (CC BY 4.0)

とあります。

つまり、CCライセンスは、

  • 作品の使用ルール(利用条件)をマークで表したもの
  • 作者はCCライセンスによって簡単に使用ルールを他者に示すことができる
  • 作品の受け手は、CCライセンスによって使用ルールを一目で理解できる

という便利なマークなんです!

海外の素材サイトでは、利用規約が英語だったりして何て書かれているのか理解に苦しむことがありますが、CCライセンスが付いていれば、言葉が分からなくても利用条件が一目で分かって安心ですね。

このクリエイティブ・コモンズ・ジャパンのサイトには、よくある質問とその回答をまとめたページもありますので、「もっと知りたい!使ってみたい!」という方は読んでみてください。

それぞれのマークの意味を知っておこう!

CCライセンスは、使用ルールを表した4つのマークの組み合わせでできています。

(このマークのことを、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス・ボタン」というそうです)

この4つの意味を知ることが、CCライセンス活用への第一歩!

ひとつずつご紹介していきます。マークを見かけた際は、思い出してみてくださいね。

① BY(表示)

作品を創作した人(著作者)の氏名や作品のタイトルなど、作品に関する情報を表示しなくてはならないことを表します。

※出典:FAQ よくある質問と回答 © クリエイティブ・コモンズ・ジャパン (CC BY 4.0)

具体的にまとめると以下になります。

  • クレジット表記(作者名、作品タイトル、あれば公開年など)が必要
  • 作品がウェブ上で公開されているのであれば、作品へのリンクを設けること(紙媒体の場合は、URLを記載する)
  • 改変した場合には、改変したことを示すこと
  • 元の作品の著作権表示かライセンス情報に関するページがあれば、そのURLも表記すること

② NC(非営利)

営利目的で利用してはならないことを表します。(営利目的で利用したい場合には、作品の権利者にコンタクトして別途許諾を得る必要があります。営利目的で許諾を得た場合は、本アイコンを付ける必要はありません。)

※出典:FAQ よくある質問と回答 © クリエイティブ・コモンズ・ジャパン (CC BY 4.0)

具体的にまとめると以下になります。

  • 商用利用は不可
  • どうしても商用利用したい場合は許可を得ること

③ ND(改変禁止)

作品を改変しないことを表します。(その作品の全部または一部をそのまま利用することを言います。)

※出典:FAQ よくある質問と回答 © クリエイティブ・コモンズ・ジャパン (CC BY 4.0)

作品を加工してはいけないということですね。

画像の場合は、トリミング(切り抜き)加工も改変に当たりますので、ご注意を!

どうしても加工したい場合は、著作者からの許可を得てくださいね。

④ SA(継承)

作品を改変することは自由ですが、もしも作品を改変して新しい作品を作った場合には、その新しい作品にも元の作品と同じライセンスを付けることを表します。例えば、あなたが「表示」と「継承」のアイコンが付いた作品を改変して新しい作品をつくった場合、その作品は必ず「表示」と「継承」のライセンスのアイコンを付ける必要があります。

※出典:FAQ よくある質問と回答 © クリエイティブ・コモンズ・ジャパン (CC BY 4.0)

改変して作った作品には、元の作品と同じ組み合わせのCCライセンスを表示する、ということです。

その際は、CCライセンスのバナーと共に、コモンズ証(利用条件が書かれたページ)へのリンクも貼っておくのがベストです。

CCライセンスの付いた作品を利用する場合、必ずクレジット表記を!

CCライセンスには上記で紹介した4つのマークの組み合わせで、ルールの厳しさ別に6つのライセンスが存在します。

そして、注意していただきたいのが、1番ゆるいルールのCCライセンス(CC BY 4.0)でも、最低でもクレジット表記は必要!という点です!

(めんどくさいなぁ…という方が多いとは思いますが😭)

この記事ではクリエイティブ・コモンズ・ジャパンのサイトを度々引用しているので、念のためにその都度CCライセンスの表記を行っています。もしCCライセンス表記をしなくては!という際は書き方の参考にしてみてください!

例)作品タイトル © 公表年 著作権者の名前 (CC BY 4.0)

 

※記載の際は、こちらの内容もご参考ください!

ただし、著作者、または作品の提供元のサイトがクレジット表記の記載内容を指定している場合は、その内容に従って表記しましょう!

例えば、こちらのサイト「FIND/47」に掲載されている写真はCCライセンス対応なのですが、写真を利用する際のクレジット表記の仕方について、細かく指定されています。こういうのがあると使いやすいですね!☺

参考 クリエイティブ・コモンズ【表示4.0国際】ライセンスの表記方法FIND/47

CC0(No Rights Reserved)という仕組みもある

上記で紹介した4つのCCライセンスとは別に、CC0(いかなる権利も保有しない)という選択肢もあります。

「何も権利を主張しないなら、わざわざ「CC0」のマークを表示しなくたっていいんじゃないの?」

というような疑問をもった方もいるかもしれません。

クリエイティブ・コモンズ・ジャパンのサイトには、CC0について以下の説明があります。

CC0 とは、科学者や教育関係者、アーティスト、その他の著作権保護コンテンツの作者・所有者が、著作権による利益を放棄し、作品を完全にパブリック・ドメインに置くことを可能にするものです。CC0によって、他の人たちは、著作権による制限を受けないで、自由に、作品に機能を追加し、拡張し、再利用することができるようになります。

CC ライセンスが、権利所有者に著作権を残しながら、再利用の許可を選択できるものであったのに対して、CC0は別の新たな選択肢を提供します。作品の作者に自動的に付与されてきた著作権やその他の占有権を放棄するという選択肢です。他のCCライセンスと異なり、「いかなる権利も保有しない」という選択肢を与えるものです。

※出典:CC0について ― “いかなる権利も保有しない” © クリエイティブ・コモンズ・ジャパン (CC BY 4.0)

私たちは誰でも、写真を撮ったり、絵をかいたり、小説を書くなどの創作活動をすると、その作者は自動的に著作権を取得します。申請や登録は一切不要で、世界的に共通の制度となります。

※ただし、会社などで取り決めがあれば、作者ではなく会社に著作権が帰属する場合もあります。

この著作権は、日本では作者の生存期間+死後5070年までは保有することになり、その後は公有、すなわちパブリックドメインとなります。(参考:文化庁ホームページ

逆に考えると、作者の意思に関わらず著作権が与えられ、著作権の保護期間が過ぎなければ、著作権は消滅しないということです。

CC0マークを表示すると、すべての国の著作権法やその他の制度において完全に著作権を放棄できる、とまでは約束できないそうですが、少なくとも、作者の著作権放棄の意思を示すことができます

このCC0をぜひとも表示したい!と思った善人な方は、

「やっぱり著作権放棄やーめた!」といって取り消すのは基本的にできない

ということも踏まえておいてくださいね。

【本のご紹介】『デザイナーのための著作権ガイド』


CC0で公開されている作品は、以下の利用方法が可能です。

  • 個人/商用利用など、いかなる目的での利用も可能
  • クレジット表記不要(自発的に明記するのはもちろんOK!)
  • 加工や複製、再利用も可能

ただし、商標権や特許権は放棄されていませんのでご注意を。

また、著作権放棄されているからといって、作者の人格を侵害するような使い方はせず、創作物の恩恵に感謝し、配慮ある使い方をしましょう!

▼ CC0で公開されている写真素材配布サイトをこちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考ください!

【無料】CC0ライセンスの写真素材サイトまとめ

さいごに

クリエイティブコモンズとは?まとめ

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、日本ではまだ見る機会は少ないですが、着実に導入する動きが増えています!

なので、だれかの作品を利用する機会が少しでもあれば(クリエイターであるかないかに関わらず!)、ライセンスについて知ってもらえたらいいな、と思います😊

▽ オープンソースライセンス(OSSライセンス)には、他にもこんなものがあります

Apache License 2.0とは?商用できる?利用条件をやさしく解説

この記事で使用した素材

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素材サイトの利用規約で最低限チェックすべき注意点5つ

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