知らないうちに肖像権侵害の可能性も?モデルリリースの意味とは

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こんにちは、デザイナーのReikaです。

人物写真の撮影や公開、販売、使用の際に、気を付けるべき肖像権の問題があるのはご存知ですか?

肖像権を侵害してしまうと、とんでもないトラブルに巻き込まれる可能性があります。

今回は、そんなトラブルを避けるために知っておきたい「モデルリリース」について取り上げます。

モデルリリースってなあに?

question

モデルリリースとは、言い換えると「肖像権使用許諾同意書」のことです。

「肖像権」については下記の説明を参考にしてください。

自分の顔や姿をみだりに他人に撮影・描写・公表などされない権利。人格権の一つとして認められている。
出典:小学館デジタル大辞泉| 肖像権(しょうぞうけん)とは(コトバンク)

つまりモデルリリースとは、写真の撮影者が、撮影される人物(またはその代理人)にお願いする同意書で、撮影される人物の「肖像権」を条件の範囲内であれば使用しても良いですよ、と同意がなされていることを示すものです。

人物の写真を配布している素材サイトには、この「モデルリリース」の取得有無が明記されていることがあります。

モデルリリースの記載例

モデルリリースの記載例/出典:PIXTA(ピクスタ)

モデルリリースの取得が必要な場合ってどんなとき?

正面と背面

どのような場合に、「モデルリリース」の取得が必要なのかというと、個人が特定できる写真か否か、で判断できます。

モデルリリースを取得すべきケース

容姿、髪形、服装、ポーズ、撮影場所などから、個人が特定できる

モデルリリースを取得しなくても良いケース

体の一部(手だけ、首から下だけなど)や後ろ姿、ぼやけているなど、個人が全く特定できない


モデルのいる彫刻

個人が特定できる写真、または実在の人物をモデルにしたイラストや彫刻などが、本人への同意なく無断で使用された場合には、肖像権(プライバシー権やパブリシティ権)を侵害する恐れがあるため、モデルリリースを取得するのが安心です。

反対に、個人が全く特定できない場合は取得しなくても大丈夫です。

有名人や故人、動物の場合は使用許諾を得る必要はあるの?

すべての人には肖像権がある

人には肖像権がある

すべての人には肖像権があり、だれでも主張することができます。

そのため、一般人だけでなく、タレントなど著名人の場合も例外ではありません。

また、故人の場合は、本人死亡とともに肖像権が消滅すると考えられますが、生前に本人からの同意がある場合を除いて、遺族からの許諾を得るのが望ましいです。

ただし、歴史上の人物であれば、似顔絵などを作成しても問題ないでしょう。

動物には肖像権がない、がしかし…?

ねこ

動物には肖像権はないため、基本的に使用許諾を得る必要はありません。

しかし、タレント並みに人気のあるペットや、動物園などで飼われている動物競走馬など集客・利益を上げる力のある動物の場合は、飼い主や管理者から使用許諾や使用料が求められる場合もあるため、確認しておくのが良いでしょう。

施設に撮影禁止マークが掲示されていたり、入場チケットに記載されていることもあります。

施設内への「入場」=「撮影禁止への合意」とみなされれば、撮影禁止を知らなかった場合でも、契約違反となる可能性も…気を付けたいですね。

まとめると…

ケースモデルリリースの要否
一般人〇(必要)
著名人〇(必要)
故人〇(必要)
歴史上の人物×(不要)
動物(野生)×(不要)
動物(飼育)〇(必要)
動物(タレント性あり)〇(必要)

モデルリリースが取得されていない写真は、どんなリスクがあるの?

許可を得ずに使用した場合、本人のプライバシーや名誉を傷つける使用方法でなければ寛容な場合もありますが、使用の差し止めを求められることも十分にあります。

写真展の場合は、中止しなくてはなりませんし、写真集の場合は、出版差し止めし、出版した分は回収しなくてはなりません。

また、使用料、慰謝料、損害賠償を請求されることもあります。

特に、自分が撮影した写真ではなく、写真素材サイトなどで配布されているような他人が撮影した写真については、被写体からの使用許諾の有無が明記されていないことが多く、例え明記があったとしても真偽は定かではありません。

どうしても不安な場合、リスクを最小限に抑えたい場合は、権利侵害が無いことを保証していて、万一侵害があった場合には補償が受けられる、有料写真素材サイト(例:PIXTAamanaimages PLUS)の利用をおすすめします。

有料ストックフォトサービスは登録すべき?無料との違いと選び方

モデルリリース取得済みの写真で、気を付けるべき使い方は?

禁止された使い方はある?

合意の条件にもよりますが、モデルリリースの取得有無に関わらず、基本的に以下のことには使わないようにしましょう。

  • アダルトサイトや出会い系サイトなどの風俗産業への使用
  • 暴力団関係、犯罪、違法、ギャンブル、公序良俗に反する内容での使用
  • 被写体が特定の宗教、政治、思想へ所属または賛否していると捉えかねない使用
  • 被写体の名誉棄損、不利益、信用棄損、権利侵害、誹謗中傷をする、またはその恐れのある使用
  • いじめ、薬物、たばこ、不妊、避妊、妊娠中絶、性転換、整形、同性愛、遺影などに関連する使用
  • 「プロフィール写真」や「お客様の声」などで本人ではないのに、本人であるかのように偽って写真を使用する

上記以外であっても、自分を被写体に置き換えた時に、不快に思う内容(薄毛、肥満を強調された…など)での使用は、止めておきましょう!

モデルリリースの取得方法とは?

モデルリリースの申請

モデルリリースの取得は、撮影前に行いましょう。

また、口頭ではなく、文書やメールなど、証拠が残る形が望ましいです。その際は、しっかりと内容を確認してもらい、理解してもらった上で、署名と捺印をお願いしましょう。

モデルとなる人物が未成年の場合は、親権者から同意を得てください。

被写体となるモデルさんに、次のような点で、目的や使用方法を確認します。

  • 撮影しても良いか?撮影方法は?撮影場所は?
  • 公開しても良いか?公開する媒体は?期間は?
  • 写真素材として使用して良いか?商用も可能か?
  • 使用して良い写真はどれか?(これは撮影後に決めましょう)
  • どのような目的に使用して良いか/悪いか?
  • 画像の合成やトリミングなどの加工をしても良いか?  など

モデルリリースの原本は、撮影者の方がしっかりと保管し、モデルさんにも控えを渡して大事に保管してもらいましょう。

▼ モデルリリースの文書例は、下記のサイトを参考にしてみてください。

参考 モデルリリース・プロパティリリースとは? imagenavi CREATOR Antenna

※ストックフォト会社で販売する場合は、各会社指定のモデルリリースの書式がありますので、その書き方に従ってください。

いちいちモデルリリースを取ることなんてできないよ…

注意事項

でも、普段写真を撮っていて、いちいち写る可能性のある知らない人に声をかけて確認するなんて、なかなかできませんよね。。

許可が取れていない写真を無断で公開、使用しないのはもちろんですが、トラブルを避けるために、次のような対策を心掛けましょう。

  • 顔のアップは撮影しない
  • 当たり前ですが、本人の気持ちを害する、または名誉を傷つけるような写真は撮らない
  • 本人を狙って意図的に撮影されたと思われかねない写真は撮らない
  • どうしても使いたい場合は、個人が完全に特定できないように切り取る、ぼかす、塗りつぶすなどの加工をする

さいごに

さいごに

写真を取る、イラストを描く際だけでなく、写真やイラストを使う場合にも、権利侵害がないことに気を配って、安心して使いたいですね!

ぜひこの記事を参考に、安心安全な創作活動を行ってください!^^

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この記事で使用した素材

※素材を使用する際は、素材配布サイトの利用規約をよく読み、ルールを守って使用しましょう!

素材サイトの利用規約で最低限チェックすべき注意点5つ

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