
テーマ OSSライセンス(Apache-2.0)
状 況 自分で作る(内製)| 外注後(修正・検収)
「Apache License 2.0」は、ソフトウェア向けライセンスなのですが、ソースコード以外でも使われていることがあります。そのため、ソフトウェア開発者だけでなく、デザイナーやそうでない方も遭遇しやすいライセンスです。
この記事では、アイコンやフォントなどのデザイン素材がApache License 2.0で提供されている場合について、安全に利用するための判断基準を易しく整理しました。ライセンス条文のあくまで補助として、ご参考ください。
- Apache License 2.0 (Apache-2.0)は、原則無料で使用でき、商用OKな寛容なライセンス😊
- 第三者へ配布する場合は「再配布」の条件に従う必要あり⚠️
※本記事では、ライセンス条項の「5. コントリビューションの提出」については記載しておりません。
Apache License 2.0とは?(ざっくり)
「Apache License(読み:アパッチ・ライセンス)」は、Apacheソフトウェア財団(ASF)という、オープンソースソフトウェアの開発/配布を行っている団体が取り決めた利用規約です。
世界的に利用されている有名なオープンソースライセンスの一つで、例えば、Appleが作ったプログラミング言語「Swift」のライセンスには「Apache License 2.0」が設定されています。
「2.0」はバージョンのことで、バージョン1.1以前は「Apache License」ではなく「Apache Software License(ASL)」という名称でした。
ソースコードが無償で誰でも閲覧できる状態になっており、かつ、改良や再配布も許可されているソフトウエアのこと。ソフトウェアやアプリ等を安く・早く開発するのに欠かせない存在です✨
OSSの利用条件を記したものが「オープンソースライセンス(OSS license)」です。
利用条件
オープンソースライセンスは多数ありますが、その中でも「Apache License 2.0」は利用条件が緩めで、企業にとって使いやすいと言われています。
🙆許可されていること
ライセンス条項の「2. Grant of Copyright License(著作権ライセンスの付与)」と「3. Grant of Patent License.(特許ライセンスの付与)」に記載されています。
| 使用料 | 無料 |
| 使用期間 | なし(永久的) |
| 商用利用 | 〇(もちろん個人利用もOK) |
| 改変 | 〇 |
| 複製 | 〇 |
| 公開 | 〇 |
| 再配布 | 〇 |
| 改変したものの配布 | 〇 |
| サブライセンス | 〇 |
| アプリケーションへの埋め込み、同梱 | 〇(Webフォントとしても利用可能) |
| 特許技術の利用 | 〇(配布物に特許技術が含まれている場合も、無償で利用可能) |
Webフォントとして使用する場合、Web専用の形式(EOTやWOFFなど)を作成すると改変に該当します。
また、使用時に、第三者によってWebフォントをダウンロードされる(またはダウンロードできる状態にある)と再配布に該当します。
もちろん改変も再配布も、「Apache License 2.0」では許可されていますが、再配布(または改変したものの配布)をする場合には、以降で紹介する条件がありますので、目を通しておいてくださいね!
Webフォントって?と思った方は下記の記事で解説しているので、よかったらどうぞ~
🙅できないこと
ライセンス条項の「6. Trademarks(商標)」に、商標の使用を許可しないという意味の記述があります。
Apache Tomcatの技術自体を使うのは問題ありません。でもその一方で、開発元のブランド名やロゴを勝手に使って、「公式の製品ですよ」と見せかけることは禁じられています。
そしてもうひとつ、ライセンス条項の「3. Grant of Patent License.(特許ライセンスの付与)」にも禁止事項が書かれています。
それによると、配布物に含まれている特許技術が特許侵害しているとして訴訟を提起することは禁止、行った場合、訴訟が提起された日に特許ライセンスは停止する、とのことです。
| 商標の使用 | ✕ |
| 特許訴訟の提起 | ✕ |
普段の使い方ではあまり意識することはないかもしれませんが、いざという時のために、こうしたルールがあるということを知っておくと安心です。
⚠️注意事項
ライセンス条項の下記に、保証や責任についての記載があります。
- 7. Disclaimer of Warranty.(保証の否認)
- 8. Limitation of Liability.(責任の制限)
- 9. Accepting Warranty or Additional Liability.(保証または追加的責任の引き受け)
それによると、使用や配布に伴うトラブルは、特別な取り決めがない限り、自己責任とのこと。配布元は善意で公開してくれていますので、バグがあっても、うまく動作しなくても保証の対象外です。何かあった場合のあらゆる責任は使用者(=あなた)が負担しなければなりません。
また、ライセンス適用をお考えの方は、「2. Grant of Copyright License. (著作権ライセンスの付与)」にもよく目を通しておいてください。ライセンスを一度適用すると、取り消しできないとあります。使用期限の変更や後になって使用料を請求することもNGです。
こんな条件があるおかげで、提供者も受領者も、トラブルが無いよう気を配った利用が期待できるというわけですね!
再配布する場合にやることは?
ライセンス条項の「4. Redistribution.(再頒布)」に、再配布時の条件について記載があります。
- 「Apache License 2.0」のライセンス条文のコピーを提供すること
- 改変したものを配布する場合は、変更点を明記すること
→ 変更履歴を作成し、そこに記載するのが良いと思います(変更者名、変更日、変更内容、変更箇所) - ソースコード形式の場合は、元のソースコードに書かれている著作権、特許、商標、および帰属についての表示もコピーして提供すること
- 配布元に「NOTICE」に相当するファイルが含まれている場合、その中に書かれている帰属表示のコピーも提供すること
1については、ライセンス条文のコピーのみでは『この成果物に「Apache License 2.0」を適用します』という宣言だと誤解されかねないので、下記のような説明文を加えるのが良いと思います。できれば「Apache License 2.0」の条文URLも記載しておくと親切です。
This software includes the work that is distributed in the Apache License 2.0.
このソフトウェアは、Apache 2.0ライセンスで配布されている製作物が含まれています。※ “ソフトウェア(software)”の部分は、フォント、アイコンなど適宜変更してください
記載する箇所は、GitHubやソースファイルで配布する場合は「README」に書いておくのが良いでしょう。そうでない場合は、TXTファイルでも紙媒体でも良いので、とにかく受領者が確認できる形で提供しましょう。
もし仮に書き方が間違っていたとしても、気づいたら直す、指摘されたら直す、ということで真摯に対応していけば良いと思います😊
Apache License 2.0で配布されていたからといって、配布元のライセンス(Apache License 2.0)を継承する必要はありません。「元のライセンス(Apache License 2.0)の条件を守りつつ、その上に別のライセンス(自分独自の使用条件でもOK)を重ねる」という形であれば、他のライセンスで再配布することも可能です。
Apache License 2.0を適用して配布したいときは?
ライセンスを「Apache License 2.0」で配布したい場合は、ライセンス条項のHow to apply the Apache License to your work(Apache Licenseを適用する方法)」の記載に従っておけばOKです。
下記の定型文を配布物に添付しましょう。「LICENSE.txt」に含めると良いと思います。
Copyright [yyyy] [name of copyright owner]
Licensed under the Apache License, Version 2.0 (the "License");
you may not use this file except in compliance with the License.
You may obtain a copy of the License at
http://www.apache.org/licenses/LICENSE-2.0
Unless required by applicable law or agreed to in writing, software
distributed under the License is distributed on an "AS IS" BASIS,
WITHOUT WARRANTIES OR CONDITIONS OF ANY KIND, either express or implied.
See the License for the specific language governing permissions and
limitations under the License.※ [yyyy][name of copyright owner]の部分は自分の情報に書き換えください
記載箇所は、以下が一般的です。
- Webサービスの場合
ライセンスに関するページを設けて明示する(利用規約やヘルプページの近く、または利用規約に含めてもいいかと思います) - アプリの場合
アプリ内(設定画面かヘルプ、ライセンスページ)と、インストール前に確認できるようアプリストア(App Store、Google Play)の説明に記載する
Apache License 2.0に関するQ&A
免責・参考リンク・ご意見箱
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別案件の最終判断は、専門家にご相談ください。
- ライセンスが更新され、本記事の情報が古くなっている場合があります。なるべく使用する度に、最新版のライセンス原文を参照することをお勧めします。
参考リンク
Apache License, Version 2.0のライセンス条文
他のOSSライセンスとの利用条件の比較を行いたい方へ
再配布する場合の参考になります
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