最近リーフレットの作成をしていたのですが、お恥ずかしながら、
「リーフレットって、パンフレットと何が違うんだっけ?これは知らないとデザイナー失格だ…」
と思い、調べる機会がありました。私だけでなく、他にも混同している人がいるのでは…?いますよね?
似たような名前のブックレットというものもありますので、リーフレット・パンフレット・ブックレットの意味とその違い、使い分けなどを、備忘録もかねて記事にまとめました。
パンフレットとは?
語源
パンフレットは、英語の【pamphlet】が由来の外来語で、略して「パンフ」とも。
パンフレット、リーフレット、ブックレットに共通する“let“というのは、小さいという意味です。
そして、パンフの部分はというと、12 世紀に人気のあった、恋愛に関するラテン語の詩「Pamphilus seu De Amore」の「Pamphilus(パンフィルス)」が語源だそうです。
この詩の薄い本が、各地で多く出回ったことから、小冊子=「パンフレット」と呼ばれるようになったとのこと。
小学館の日本大百科全書(ニッポニカ)によると、
パンフレットの最初は1601年、当時イギリス最大の商業組合のつくった『商業論』といわれているそう。
16世紀の宗教改革の時代に、啓蒙のために盛んに出版され、その後は特に、政治パンフレットが盛んにつくられたそうです。
新聞、雑誌も、もともとはパンフレットの形態から発展したものなんだそうです。
特徴
パンフレットは、辞書で調べると「仮綴じの薄い冊子」と出てくるのですが、それでは分からなすぎるので他にも調べました。その特徴は以下の通り。
- 複数ページ(表紙を除く5ページ以上48ページ以下)
- 紙を半分に折り複数枚を重ね、針金でホチキス止め(中綴じ)されている簡易的なつくり
ページ数については、49ページ以上になると「図書」扱いになるとユネスコの文献定義に記載されています。
大きさについてはA5、A6、B5のような小型のものが多いですが、B4、A4や変型のものもあります。
用途
- 会社案内、学校案内
- 施設の利用案内
- 家電量販店にあるような製品カタログ
- 製品マニュアル
- ゴミ出しや防災などのハンドブック など
しっかり情報を記載したい、けど本よりは情報量は多くなくて、無料配布するから安く作りたい場合に適しています。
ただ、ページ数が多いと重くてかさばるため、興味のない人に配ろうとすると手にとってもらえない可能性があります😭
カタログの由来は、ギリシア語のカタロゴス(登録する)だそうで、それが英語の【catalog/catalogue】となり、日本では終戦直後まで当て字で「型録」と書いていたそうです。
意味はというと、商品や図書などの「目録」のことで、商品の価格と説明が記載されており、電話や注文用紙で注文できるようになっているものが多いです。
パンフレットやリーフレットは印刷物自体を示すのに対し、カタログはその記載内容を示していると覚えてください💡
リーフレットとは?
リーフレットは、「ミニパンフレット」や「折りたたみパンフレット」と呼ばれたりもします。ややこしいですね。
語源
英語の【leaflet】が由来で、小さい葉っぱという意味をもつ単語です。
二つ折りされた1枚の小型の印刷物を、広げた状態をイメージしてみてください。
なんとなく小さい葉っぱに似ているかも~??という感じで覚えるといいかもしれません。
特徴
語源にも書いてある通り、リーフレットは、折りたたんである1枚刷りの小型の印刷物を意味します。
- 一枚刷りの印刷物
- 折りたたんである
紙にはある程度厚く強度があるものが使われるため、チラシのようにぐしゃっと折れ曲がったり破れたりしにくく、扱いやすいのが良い点です。
折り方
- 二つ折り(中央で折る)
- 巻三つ折り(一面を内側に折る)
- Z折り(3等分にして山折りと谷折りを交互に折り込む)
- 観音開き折り(4等分にして両端を中央で合わせるように折る)
など。折る回数や折り方が複雑なほど、製造コストは高くなります。
郵送する際はコンパクトなほど送料が安く済むため、配布方法も考慮した折り方の検討が必要です。
用途
- 会場案内やマップ
- 催し物のプログラム
- 新製品や新サービスの紹介
- 店舗や施設の紹介 など
リーフレットは1枚刷りなので、パンフレットよりは、記載できる情報量が少ないですが、軽くてコンパクトなため、カバンに入りやすいですし、費用も安く抑えられますので、気軽にたくさん配布できますし、手に取ってもらいやすいです。
ブックレットとは?
語源
英語の【booklet】が由来で、小さい本という意味。そのままですね!
特徴
ブックレットの意味を辞書で調べると、「小冊子」「パンフレット」と出てきます。
では、ブックレット=パンフレットなのかというと、少し違いがあるようです。
- 製本(表紙、見返し、とびらがある)されており、本に近いつくりのものが多い
- パンフレットより小さめ
- パンフレットよりも厚めでしっかり(ページ数はパンフレットの方が多い)
用途
- 音楽CDやDVDについている歌詞カードや写真集
- ゲームソフトについている取扱説明書、解説書
- 絵本
- フォトブック など
パンフレットの同義語として使われることが多いそうですが、何かの商品に付属していたり、無料ではなくて販売されているものが多いようです。
ブックレットは何か大切に長く持っておきたいような特別感がある印象を受けます!
また、内容もパンフレットのように広告や商品案内ではなく、読み物や娯楽的な目的で使われることが多いです。
さいごに
パンフレット、リーフレット、ブックレットの違いが何となく理解していただけたでしょうか?
選び方としては、予算や配る相手の興味度合いによって決めるといいと思います。
そして、今回紹介したように、日本語ではこのような違いがありますが、欧米ではすべてまとめて、”brochure(ブローシュア)”と呼ぶことが多いそうです。
日本では、なぜこのように違う名前で呼ぶようになったのでしょうね?
印刷会社によっても、パンフレットとリーフレットを同じものとして扱ったり、ご紹介した内容と意味が異なっている場合がありますので、ご注文される際は、必ず確認するようにしてくださいね。
この記事で使用した素材
- アイキャッチ画像:Guest booking a tour at a hotel by Teddy on rawpixel
- パンフレットのサンプル画像
- リーフレットのサンプル画像
- ブックレットのサンプル画像
- 挿絵:unDraw
※サンプル画像には、Mockups Designのモックアップ素材(無料)を使用して作成しています。
※素材を使用する際は、素材配布サイトの利用規約をよく読み、ルールを守って使用しましょう!
お探しの疑問は解決できましたか?
解決できた記事には、ぜひハート💖をクリックして応援いただけるとうれしいです!