SNSや企業のロゴは無許可でデザインに使える?ロゴ使用上の注意点

SNSアカウントの宣伝や、シェアを促すために販促物などにSNSのロゴマークを配置しよう!となった時、「ロゴを使うために許可は必要なのか?」「ロゴ使用上のルールはあるのか?」疑問に思ったことはありませんか?

この記事では、日本でよく使われているSNSを対象に、ロゴの利用規約(ブランドガイドライン、ロゴガイドライン)を調査し、使用許可の要否と使用上の注意事項についてまとめました。

各種SNSロゴマークの使用許可の要否まとめ

許可取りが必要なロゴがほとんどです。詳細は以降で説明していますので、ぜひご参考ください。

サービス名ロゴ使用許可の要否
Instagram用途によっては必要
X(旧:Twitter)要問合せ
Facebook用途によっては必要
YouTubeすべての用途で必要
Tik Tokすべての用途で必要
LINE用途によっては必要
Google用途によっては必要
Microsoftすべての用途で必要
note不要

Instagram

Instagramの場合、利用規約の「弊社が保持するその他の権利」の箇所に、商標(サービス名やロゴマーク)に関する規約が書かれています。

利用者は、弊社のブランドガイドラインにより明示的に許可されている場合、または弊社から事前に書面による許可を得た場合に限り、弊社の知的財産権や商標、または類似の商標を使用できます。

利用規約 | Instagramヘルプセンター

Instagramのブランドガイドラインによると、使用にあたって申請が必要な用途は下記の通りです。

利用申請が必要な用途
  • ライブ配信
  • ラジオ
  • OOH広告(屋外広告)
  • A4サイズ以上の印刷物
  • 映画、コマーシャル、番組

A4サイズ以上の印刷物も含まれていますね。

となると、チラシやポスターなど、うっかり無断使用してしまう人が多いのではないでしょうか…😨

X(旧:Twitter)

旧Twitterの場合はブランドガイドラインが存在しましたが、サービス名がXに変わってからは、商標(サービス名やロゴマーク)に関する利用規約が見当たらず…。この記事の更新日時点では公開されていないようです。

公式からの明示的な許可がないため、Xの商標を勝手に使用すると商標権侵害になってしまいます。。

そのためロゴを使用したい場合は、ブランドツールキットのページに記載の「Legal disclaimer」のメールアドレスへ問い合わせし、ロゴの使用許可を取る必要があります。

ロゴは下記ブランドツールキットのページからダウンロードできます。がしかし、最小サイズや色などの規定を示したマニュアル(ロゴガイドライン)がないので、使用条件等も含めて、一度問い合わせするのが無難です。

Brand toolkit

Facebook

Facebookの場合、商標(サービス名やロゴマーク)に関する利用規約はMetaのブランドリソースセンターのWebサイトに明示されています。

規約

Metaは、自社の知的財産の開発と保護に多大なリソースを注いでいます。世界各国でMetaの商標やロゴの登録を進めていることに加えて、商標を不正使用する人々に対する権利も行使しています。

Metaの商標はMetaによって所有されており、これらのガイドラインに示された方法でのみ、またはMetaから許可された場合にのみ使用することができます。Metaの商標の一部については、こちらの一覧からご確認いただけます。あらゆる商標、サービスマーク、会社名、商号、ユーザーネーム、またはドメイン登録として、あるいはこれらの一部として使用する場合を含み、Metaのいかなる商標についても使用、登録、またはその他の方法で権利を主張することはできません。商標として、あるいは商標の一部として使用する場合を含み、Metaの商標と見間違うほど酷似させたり、商標を希釈化したりする方法で商標を使用またはその権利を主張することはできません。Metaの利用規約コミュニティ規定に反する方法でMetaの商標を使用しないでください。

Metaはいつでも自社の商標の使用許可を取り消すことができます。Metaは、Metaブランドにふさわしくないと考えられるコンテンツの承認を保留する権利を有します。

商標 | Meta | Brand Resource Center

Facebookのブランドリソースサイト内にあるガイドラインによると、使用にあたって申請が必要な用途は下記の通りです。

利用申請が必要な用途
  • テレビまたはオンラインでのマーケティングまたは広告
  • 書籍、舞台、テレビ番組、映画台本
  • 印刷パッケージ

YouTube

YouTubeの場合、商標(サービス名やロゴマーク)に関する利用規約はブランド関連情報のページに示されています。

ページの最下部に、使用許諾が必要な用途に関して記載があります。

注: どのような用途であれ、YouTube のブランド要素を使用するには、YouTube の審査を経て承認を得る必要があります。ブランド使用リクエスト フォームに英語でご記入のうえ送信してください。

グローバルのプロセスへの移行に伴い、英語でのサポートのみとなります。YouTube は、商標の不適切な使用に異議を申し立て、その権利を随時行使する権限を有します。

YouTube ブランド関連情報とガイドライン – YouTube のしくみ
利用申請が必要な用途

すべての用途

ブログやSNS投稿画像など、すべての用途でロゴの使用許可が必要なんですね…!キビシー!

許可なく利用すると規約違反&商標権の侵害になってしまうので、面倒がらずにやっておきましょう。

また、使用許可が下りるまでには数週間~1ヶ月程度かかる場合もありますので、ロゴを使用すると決まった場合は早めに申請することをおすすめします!(モック書類づくりや、英語での申請は大変ですし…)

使用申請のやり方については、こちらのサイトが参考になります!!

TikTok

TikTokの場合、商標(サービス名やロゴマーク)に関する利用規約はTikTok Brand Guidelinesに示されています。

Legalのページには、ロゴの使用許諾について、下記の記載があります。

TikTok Logo

If you have received our prior written permission to use the TikTok logo, the following rules apply. If you have not received our permission, you may not use the TikTok logo.

Overview – Legal – TikTok Brand Guidelines

※和訳:TikTokロゴの使用について事前に当社の書面による許可を得ている場合は、以下のルールが適用されます。当社の許可を得ていない場合は、TikTokロゴを使用することはできません。

利用申請が必要な用途

すべての用途

しかし、利用許可が無くても「TikTok」というプラットフォーム名またはサービス名を参照するためにテキスト形式で記載することは許可されています。(本記事のようにですね!)

ただしテキスト形式で使用する場合であっても、記述方法にルールが定められていますので目を通した上で適切な利用を心掛けてくださいね。

LINE

LINEの場合、商標(サービス名やロゴマーク)に関する利用規約はロゴガイドラインに示されています。

広告・販促・告知物等におけるLINE関連素材のご利用に関して

・LINEおよびLINE関連サービスのロゴ・アイコン・シンボルなどは、LINE株式会社の権利物です。

・LINEおよびLINE関連サービスのロゴ・アイコン・シンボルなどを使用する場合は「ロゴガイドライン」および「広告・販促・告知物におけるLINE関連素材使用についてのガイドライン」を遵守の上ご利用ください。

プレスリリース、動画素材(TVCM配信、オンライン配信等にかかわらず全ての素材)、LINEポイントの訴求があるクリエイティブに関しては、当社による確認が必須となります。必ず事前に「広告・販促・告知物におけるロゴ等の利用に関するお問い合わせ」からご連絡ください。

ロゴガイドライン|LINE for Business

ロゴガイドラインによると、使用にあたって申請が必要な用途は下記の通りです。

利用申請が必要な用途
  • プレスリリース
  • 動画素材(TVCM配信、オンライン配信等にかかわらず全ての素材)
  • LINEポイントの訴求があるクリエイティブ

動画形式の場合は、全ての用途で利用申請が必要なんですね!

YouTubeやTikTok、Instagramなどで動画投稿の際は、LINEのロゴを許可なく使わないように気を付けてくださいね!

Google

製品との連携を示したい場合や、レビューを示したい時などに、Googleのロゴやアプリのマークを使いたい場面もあると思います!

Googleの場合、商標(サービス名やロゴマーク)に関する利用規約はBrand Resource Centerに示されています。

利用申請が必要な用途
  • スポンサー契約やパートナー契約を示す用途
    • すでにバッジの使用資格を取得している場合は、追加の承認は不要
  • 端末(携帯電話、タブレット、ラップトップ、テレビ、スピーカーなど)、商品など営利用途
  • テレビ、映画、劇場、ミュージックビデオ、ストリーミングサービスなど、エンターテインメント用途

ブログやウェブサイト、資料などでGoogleに関連するロゴを使いたい場合は、許可は不要です。

ただし、誤解の無いよう商標に関する法的帰属を表示することが定められています。

Brand Resource Center | Guidance – Media

Attributionに記載の例に倣うと、

「【グーグルのサービスorプロダクト名】はGoogle LLCの商標であり、本ブログはGoogleによって承認されたものでもGoogleと提携しているものでもありません。」

のような法的帰属の文言をロゴの付近に注釈として表示すると良いでしょう。

サービスごとに、さらに詳細なガイドラインが用意されている場合もあります。迷ったらまずは、ガイドラインを参照して判断してくださいね。

Microsoft

Microsoft Office製品で作ったよ~、配布しているよ~などと、SNSなどで紹介したい場合もあると思います。

「マイクロソフト」という名称や、付随するサービス名、ソフトウェア名など文字での使用であれば、ブランドガイドラインでNGとされる使用方法でなければ使用許諾は要らないですが、ロゴを使用する場合は、すべての用途で使用許諾が必要です!

マイクロソフトのロゴ、アプリや製品のアイコン、イラスト、写真、動画、デザインなどは、明示的なライセンスなしに使用することはできません。

商標およびブランド ガイドライン | Microsoft Legal
利用申請が必要な用途

すべての用途

note

noteの場合、noteヘルプセンターにブランドガイドラインのページがあります。

ページからダウンロードできるロゴファイルに、使用ルールが書かれたガイドラインが同封されています。

ブランドガイドラインには、使用にあたって申請が必要な用途についての記載はありませんでした。

利用申請が必要な用途
  • なし

しかしながら、ガイドラインを守るとともに、以下で紹介する注意事項にも気を付けて使用することをお勧めします!

本来は、ロゴやサービス名を勝手に使ってはいけない!

ロゴマークは他者の著作物であり、著作権で守られています。

また、TwitterやInstagramなどSNSの名称も、商標登録されているならば商標権として保護されています。

そのため本来は、著作権保持者あるいは商標権保持者から使用申請&許可を得てから使う必要があり、許可なく勝手に使用すると権利侵害となってしまいます。最悪の場合、逮捕&罰則を受ける可能性も…。

あなたがもし会社員の場合、権利侵害をしてしまうとあなたの会社に迷惑をかけるだけでなく、企業やあなたへの社会的信用が落ち、あなたの経歴についた傷はずっと残り続けます…😢

利用規約やガイドラインは、広く多くの人がロゴやサービス名を使って集客などに活用できるよう、著作権や商標権の侵害に該当する使い方、該当しない使い方、許可なく使ってOKな使い方などを定めたものと考えてください。

あくまでロゴやサービス名は、著作権や商標権で守られていることを念頭に、慎重に扱うようにしましょう!

公式サイトでロゴが無料配布されているからといって、フリー素材のように安易に扱ってはいけません。

SNSのロゴマークを使う際に守ること

ロゴの使用に関する利用規約(ロゴガイドライン)では、禁止事項が非常に詳細に記載されていることがほとんど!

すべてに目を通すのは、なかなか骨が折れる作業です…。

そのため、必ずと言っていいほど頻繁に見かける、注目すべき禁止事項をピックアップしてご紹介します。

❶ 必ず公式サイトで配布されているロゴマークを使う

公式サイト以外でもロゴマークやアイコン素材が配布されているのを散見しますが、第三者が提供しているロゴやアイコン素材、あるいはロゴが使用された画像を使うのは絶対にやめましょう!

各SNS運営会社の承諾を得た上で配布されていることが分からない限り、その素材は著作権・あるいは商標権違反の可能性が高いです。

ロゴマークを使う際は、必ず、公式サイトからダウンロードしたものを使うようにしてください。

どうしても公式以外で配布されている素材を使いたい場合は、非営利な用途での使用に留め、広告・宣伝や利益が発生するブログ、商品化等の使用は絶対に避けてください。

以下リンクより、無料で各SNSのロゴ素材をダウンロードすることができます。

各SNSのロゴのダウンロード先

❷ 古いバージョンのロゴを使用しない

ほとんどの利用規約に、古いバージョンのロゴを使用NGとする記述が書かれています。

※一時期、Twitterのアイコンが青い鳥から柴犬に変更となるプチ事件!?がありましたが、これは公式発表なしに突如変更となった&4日ほどで元のロゴに戻ったため、期間中に古いロゴを使っていたからといって、違反には該当しないと思われます…!(笑)

そのため、ロゴを使用する際は、上記で紹介した公式サイトのロゴダウンロードページから使用の度に入手すると最新版を入手できて安心です。

また、ロゴは度々リニューアルされますので、デザイン制作の際は、もしリニューアルされた際に備えて簡単に新しいロゴへ差し替え可能な作りにすると良いでしょう。

❸ 最小余白と最小サイズを守る、回転や変形をしない

ロゴガイドラインには、ロゴを使用する際に守るべき事項が詳細に規定されています。

といっても難しくはないので、安心してくださいね!

多くの場合、イメージしやすいよう図解付きで余白サイズや最小サイズ、避けるべき使い方などが具体的に示されていますよ。

ロゴを使用する際には、必ずガイドラインを確認し、NGな使い方に該当しないように細心の注意を払ってください。

NGな使い方の例

  • ロゴの色を変更する
  • ロゴに影を付ける、立体的にする
  • ロゴを縁取る
  • ロゴを回転する
  • ロゴを歪ませる(縦横比を変更する)
  • ロゴの上に文字や画像を置く、装飾する
    • Twitterの青い鳥のアイコン上に、Tの文字を置く など
  • ロゴを文章内で使う

❹ スポンサー支援を受けている等、誤解を招く表現をしない

SNS運営会社からのスポンサー契約やコラボレーション関係にあると誤解される見せ方をしないようにしましょう!

ロゴの上に「おすすめ!」などと書いて、あたかもそのSNS運営会社が推奨している、公認であるかのような見せ方も絶対にやめましょう。

❺ 違法なコンテンツに使用しない、否定的に捉えられる使い方をしない

あまりないと思いますが、違法なコンテンツや、不適切なコンテンツに使用するのは禁止されています。

当然、ロゴを使って企業や個人を中傷することもNGです。

さらに注意が必要なのは、ロゴを用いてそのサービスやプラットフォームが不安定だったり、危険だったり、使いにくいといったネガティブなイメージを与えるような表現をすることです。

覚悟ができた上でやるなら止めませんが、そうでない場合、特に影響力あるインフルエンサーや企業はくれぐれも気を付けてくださいね…!

SNSのロゴマークを使わない代わりにできること

ロゴを使わない代わりに、SNSを象徴する色を使うという方法や、SNSアプリから発行できるQRコードを使うという手もあります。

例えば、InstagramのQRコードにはInstagramのロゴがデザインされていますよ。

例)インスタグラム「QRコード」を作成・読み取りする方法 | アプリオ

ロゴの利用申請をしていない場合は、決して無断使用しないでくださいね!

さいごに

私自身、「SNSロゴを無断で使用するのはリスキーかもしれないな…」と思い、ネットで調べてみました。すると、実際に利用規約を破ると厳しい罰則があることがわかりました💦

ロゴの無断使用は、だれでもやっていそうな些細な行為かもしれませんが、SNSの利用規約を違反するとキツーイ罰則を受けかねません…。

この記事の内容は古くなっている可能性があるため、ロゴを使用する際には常に最新のガイドラインを確認することをおすすめします。